コンセプト
オーガスタン・ダシニエが提案するのは、ワインと音楽創造をめぐるレクチャーの形をとった、プライベートなピアノソロ・コンサートという、独創的なコンセプトです。
バッハのプレリュードと、AOCワインのあいだに、どのような関係があるのでしょうか。酸味と楽曲形式のあいだには? 和音は味わうことができるのでしょうか。「ハーモニー」という言葉は、何を意味するのでしょうか。
オリジナル曲、クラシック作品、即興演奏(例えばバッハをめぐる即興)、あるいはヴァリエテのレパートリー(ゲンスブールなど)を交えながら、オーガスタンはピアノの前で、博識と詩情とユーモアをもって、これらの問いに答えていきます。
芸術と知、悦びと発見が混じり合う稀有な夜――気前よく、そして型にはまらないこのアーティストがお届けする夜会です。
アーティストの言葉
音楽活動と並行して、私は2013年から、植樹から瓶詰めまでを手がけるワイン醸造のプロジェクトを始めました。2020年からは、自らの畑のぶどうから、できる限り自然に近い「作家のワイン」を造っています。
音楽と、ヴィニュロンとしてのもう一つの活動――この二つを結びつけることを特徴とする、ピアノソロ・コンサートをご提案いたします。そこで私はピアノを弾き、また、作曲と醸造の親和性について、あるいは酸味と幼少の記憶と楽曲形式の関係について、お話しします。
「聴くテイスティング」のプロトコルを設けて、和音そのものを味わってもみます(!)。そののち、私のキュヴェのいくつかや、私を感動させたワインを、本格的なテイスティングで味わいながら夜を続けます。司会は、貴方の僕(しもべ)たるヴィニュロンがつとめます。
これまでの夜会




プロフィール
1981年生まれ。7歳でピアノを始め、音楽理論の前に、まず身体の動きと音色を学ぶ。
18歳のときから、知への渇望に駆られ、あらゆるスタイルの本格的な音楽教育を受ける――ジャズはAmerican School of Modern Music、クラシックはパリ国立高等音楽院。当時は、マダム・ヘネシーのごく内輪のパーティーで、あるいは首都のクラブで、ジャズのスタンダードを弾いて生計を立てていた。
その後、サイドマンとして、フランスの音楽シーンの幾人ものアーティストのツアーに加わる――歌手のZazやAyo、あるいはポップ・グループのLilly Wood and the Prickなど。世界各地の伝説的なホールやフェスティバルで演奏する喜びを味わう――パリのZénithからニューヨークのIrving Plaza、ベルフォールのEurockéennesからシドニーまで。
2014年、アンボワーズでビオロジック栽培を学び、同年、黒い山脈(Montagnes Noires)の麓に最初のぶどうを植える。
やがて、群衆の喧騒、スポットライトの輝き、そしてツアーバスの放浪生活は、心の楽器であるピアノに戻りたいという思いを彼のなかに育てていく。初のピアノソロ・アルバム『Grapes』を2020年12月にリリース。
2021年よりブルターニュに居を構え、地元のジャズ・シーンに加わりつつ、複数の創作プロジェクトを展開。2022年からはルドン音楽院でピアノ、和声、作曲を教えている。